濤が眠る海は、新潟県上越市直江津港の沖合。
秋から冬にかけて約4ヶ月、
水深15メートルの海底で過ごします。
酒の味わいを変える鍵となるのは、
アルコールにとって好ましい
低水温(水温9〜17℃)と、
荒波が生み出す波の微振動。
酒の中の分子が波の動きによって
ゆるやかに再配置されることで、
味わいにまろやかさが生まれ、
奥行きのある風味へと育っていくのです。
また、紫外線の影響も届きにくく、
お酒にとって理想的な熟成条件が整っています。
海底熟成前後の成分を比較した結果、
甘味・苦味といった味覚要素に
明確な変化が確認されました。
各成分がバランスよく整い、
"飲みやすさ"と"まろやかさ"が
引き立つ結果となっています。
The Taste Of Sake Refined By The Sea Of Japan.
日本海に磨かれた、 酒の味
よしかわ杜氏の郷
高の井酒造
上グラフ:通常(熟成前) / 下グラフ:海底(熟成後)
甘味成分・苦味成分ともに熟成後の方が
高濃度となる成分が多く、
深みのある味わいに。
熟成後は苦味成分の
「アルギニン」が大幅に減少し、
まろやかな味わいに。
日本海の冬は、想像を超える荒波が押し寄せます。
この荒々しい海の中で安全に酒を熟成させるため
私たちは長年培った技術を活かし、
波に耐えながら酒を守る、
特別なコンテナを開発しました。
土台部分には超高強度繊維補強コンクリート
「ダクタル®」を採用し、
荒波という過酷な環境に立ち向かう耐久性を実現。
酒をただ “つくる” だけではなく、
その熟成環境までを “つくり込む” ——
それが、濤としての矜持です。
The Passion And Skill That Go Into
Aging Sake In Rough Seas.
荒波熟成に掛ける、
想いと技術
The Power Of Snow Gently Protecting
The Memory Of The Sea.
海の記憶をそっと守る、 雪の力
海底での熟成を終えた酒が、
次に身を委ねるのは雪の静寂。
雪国の知恵から生まれた
天然の貯蔵庫「雪室(ゆきむろ)」は、
0℃の冷たさと90%以上の湿度に包まれた、
静謐な空間。
冷蔵庫のような振動や光による
負荷がないこの空間は、
繊細な酒の味を保つために理想的な場所です。
音も、光も、振動もないその場所で
酒は荒波の記憶をたたえながら、
あなたのグラスにたどり着くその瞬間まで、
物語を育んでいます。
選ばれた原酒、
越後が育んだ芯
濤の母体となる日本酒は、
新潟県知事を含む試飲会で厳選された銘柄。
海底熟成に最も適した酒質を持つ、
酒どころ新潟が誇る蔵元の逸品です。
高の井酒造
(小千谷市)
日本で初めて「雪中貯蔵酒」を世に送り出した醸造元。伝統の技を受け継ぎながら、新しい製法にも果敢に挑戦し、常に酒質向上を図り続けています。
よしかわ杜氏の郷
(上越市)
新潟でも有数の米どころ「吉川」の恵みを受けた地元産酒米を使用。三百年の伝統が織りなす越後杜氏の技が冴えわたる「本物の酒」を製造・販売しています。
ときは18世紀。
沈没船から引き揚げられたワインが、
長い年月を経てもなお美味しさを保っていた。
そんな偶然がもたらした奇跡の発見が、
「海底で酒を熟成させる」
という新たな探求の扉を開きました。
静けさと冷たさが支配する世界で、
波の揺れ、水温の変化、
潮の流れという自然の摂理が
酒の輪郭をゆっくりと変えていく—。
未だ全てが明らかになっていない
この熟成手法のロマンに、
世界中が注目しています。
A Story That Began On A Sunken Ship.
沈没船から
はじまった物語
限定本数でのご案内
濤は、ごく限られた本数のみを
ご案内しています。
記念日や大切な方への贈りものに。
または、自分への静かなご褒美として。
濤が紡ぐ物語を、
ぜひご体感ください。
シニアソムリエ
佐々木 政光さまからのコメント
大吟醸では「吟醸香」が開いた印象です。 通常の状態のものと比べると硬い「吟醸香」とアルコールの 「エステル香」が開いて調和している。今までにあまり無い吟醸酒の楽しみ方をご提案できるかもしれません。